プリズム

「今は唯だ、曖昧に浮かんで居たいんだ。」そう言って水色の中へ溶け込む君を、私は眺め続けることしか出来なかった。透けて往く掌は、隠してきた喧騒を虚しくも映し出す。天井に浮かぶプリズムが光を反射させ、私の身体を貫いた瞬間、笑う君が眼に浮かんだ。

私は、光に成ったのだ。